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虹色の雨

ありのままにひたすら綴る

転院の話を伝えることは
主治医との別れを意味する。
予約時間の数分前に着くと
主治医が私が居るか確認をした。
なぜか不安そうな顔をしていた。

診察時に転院の話を切り出した。
すると意外な展開となったのだ。
主治医は、私の転院をとめたのだ。
そして、診断書も書くと伝えて来たのだ。
前回の様子とは全く違う
いつも通りの主治医だった。

書いても落ちると言われてから
ここ数日、自殺を考えるほど絶望していた。
でも、ありのままを精一杯書いてくれることになった。
しかし、疑問が残る。
私ひとりがクリニックから居なくなっても
何も変わらないし
一生治らない面倒な症状の患者が減ると
主治医も気が楽なのではないか?ということ。

改めて私は主治医に伝えた。

「先生のことが好きだから
今まで通院することができました。
もしも、ご迷惑でなければ
これからもよろしくお願い致します。」

相変わらず嘘がつけない。
私の場合、「好き」の意味は少し違う。
同性の「好き」ではなく
男女の「好き」の方なのだ。

はっと気付いた。
隣には母がいた。
忘れていた…。
無事診察を終えた。

事故に遭ってから物忘れが目立つ。
何度か同じことを質問してしまうし
無意識の行動の直後に頭の中が真っ白になるのだ。

今日は、財布を脇に挟んで買い物かごをいじって
商品を元の場所に返そうとして

「あれ?財布がないっ!」

と焦るのだ。
財布は、きちんとある。
しっかりと脇に挟まれてある。

前は、料理をして点火して
冷蔵庫をあさって

「え!?沸騰する音がするっ!」

とコンロを見たのだ。

ヤバイかもしれない。
脳へのダメージがあるのかもしれない。
ま、騒いでも仕方がない。

つい主治医に告白めいた発言をしたけれど
なぜか主治医はニコニコしていた。
あのニコニコの意味はわからない。
でも、物凄く距離が近く感じた。
好きなものは好きなんだ。

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